H30/9/27~28に鳥取大学、他で開催された「平成30年度第1回 CNFに係る公設試研究者向けの勉強会」に京都市産業技術研究所の北川、仙波、伊藤が参加しました。今回のテーマは、セルロースと類似した構造を持ち、カニなど甲殻類の殻から得られる物質である「キチン」をナノファイバー化した「キチンナノファイバー」についてでした。
【鳥取大学】
鳥取県の主要な地域資源であるカニの消費とともに発生する「カニ殻」を加工して得られる「キチンナノファイバー」の研究開発を行っている伊福伸介教授よりセルロース、キチンの化学変性方法、キチンナノファイバーの製法、特徴、用途展開について学ぶことが出来た。キチンはセルロースよりも解繊しやすく機械的解繊でも微細な繊維が得られることや、生体や美容に有益な効果をもたらすことが動物実験から明らかになっていることから、食品、化粧品、医薬、農業資材など機能性物質としての展開が期待されているとのことである。
【大村塗料(株)】
鳥取大学と共同で開発した「キチンナノファイバー」を使用した内装用塗料を製造している。防カビ・抗菌・抗ウイルス・消臭などの機能を持っている。キチンナノファイバー製造設備の見学を行うことが出来た。
【(株)マリンナノファイバー】
鳥取大学発ベンチャー企業として発足した企業であり、キチンナノファイバーの研究開発、製造販売を事業内容としている。昨年からは千代水工場が稼働開始し、本格的な製造を開始したとのこと。今回千代水工場を見学し職員から話を伺うことが出来た。食品衛生法に基づく整理整頓の行き届いた環境で製造が行われており、適切に品質管理が行われていた。数多くのサンプルワークを行うとともに、自社ブランドの商品「マリンナノファイバージェル」の販売を開始したとのことである。
※本勉強会は、京都市産業技術研究所が経済産業省から委託を受け実施している「新素材 – CNF ナショナル・プラットフォーム事業」の一環として行われました。
Kyoto municipal institute of industrial technology and culture, South building No.9, Kyoto research park, 91 Chudoji-Awata, Shimogyo-ku, Kyoto, JAPAN, 600-8815
TEL: 075-326-6100 FAX: 075-326-6200