平成30年度の見学会は,今年3月に開催した合研技術セミナー「カーボン繊維強化複合材料」に続き,炭素繊維(CF)及びCF複合材料に焦点を当ててたもので、東レ・カーボンマジック(株)にて設備見学,コンセプトカーの見学・試乗,講演聴講を行いました。天気にも恵まれ、滋賀県米原の寒くなる直前の過ごしやすい気候の下,開催されました。本見学会には40名の定員を超える申し込みがあり盛況な見学会となりました。
カーボン繊維(CF),CF強化複合化材料は,日本で生まれ,日本が世界を牽引している材料分野です。東レ・カーボンマジック(株)では東レグループの中で最も最終製品に近いものを扱っている企業であり,CF強化複合化材料の試作から量産までを一貫して行っているとのことです。見学させていただきたギャラリーには,自動車,スポーツ,鉄道,衣料など多岐の分野にわたる数多くの試作品が展示されておりその「軽さ」,「強さ」を実感することが出来ました。設備見学では,型の設計からプリプレグの裁断,型への貼り付け,オートクレーブ,接着・後処理など,実作業を近くで拝見することが出来ました。
また,内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の1つである「超薄膜化・強靭化『しなやかなタフポリマー』の実現」(プログラム・マネージャー:東京大学 伊藤耕三教授)の成果であるコンセプトカー「I to P」の試走,試乗も行われました。CFRP,電気自動車の未来を感じることが出来ました。東レ・カーボンマジック(株)は「I to P」のモノコックボディを試作しており,金属のモノコックフレームと比較して50%以上の軽量化が得られるとのことです。
奥社長による講演では,CFRPの現状と可能性について,多様な製品事例の紹介を通してお話しいただきました。材料及び製造方法双方の技術を高めることでCFRPの優れた性能を最大限に引き出して,高付加価値製品を実現しているとのことです。
【関連情報】
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